客室係など接客スタッフに求められるのは、お客様に合わせたサービスを提供することです。それはとても難しいことですが、言い得ているなと思う「俳優のように振る舞うのが接客の仕事」という言葉。お客様に合わせて求められている人物を演じるということです。明るくにぎやかなお客様もいれば、物静かで落ち着いた雰囲気のお客様もいらっしゃいます。いろいろなお客様に合わせて、いろいろなタイプを演じる必要があります。お客様との出会いの数だけ、違った若女将古畑が生まれると思うととても楽しくなります。お客様からいただくお声の中や仕事を通して自分の知らない一面に出会えるのも接客サービスの仕事の魅力だと思います。
新入社員の人には、全員まず客室係の仕事についてもらいます。その後、それぞれの適性に合わせてフロントなど持ち場を変わることがあります。みんな一様に同じ客室係の仕事を経験しているので連帯感があり、誰かが困っている時には自然に助け合うという雰囲気があります。そのため接客業が初めての人でも、比較的スムーズに仕事に馴染めると思います。また長く勤めて経験を積んだスタッフには、ステップアップしていることを実感してもらうために、チームをまとめるリーダーというポジションを用意しています。ただ肩書に縛られたくないという人もいます。スタッフによって仕事に求めることも違いますので、そこはしっかり本人の意向を尊重し、反映させていきたいと考えています。
客室係のスタッフは20代前半の若い人が中心です。お客様に旅館の魅力を知っていただくためには、まずスタッフにも旅館を楽しんでもらうことが大切だと考えています。ハローウィンやクリスマスといった年間行事のなかで、若いスタッフに任せていろんな企画を考えてもらっています。スタッフにとっては、日頃考えていることや自分なりのアイデアを形にできる絶好のチャンス。楽しみながらいろいろ企画を自由に提案できる風通しの良さもこの職場の大きな魅力です。
様々な角度からお客様へのアプローチが必要になってくるので、そういうことが楽しめる元気な人に期待したいです。自分のやりたいことをいつも前面に押し出すのではなく、お客様に合わせていろいろなことを考えられる人であれば、毎日楽しく仕事できると思います。たくさんの人々と出会い、その中から自分ならではのおもてなしのスタイルを見つけてほしいです。
サン浦島 悠季の里:若女将